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巨大な木太刀を担いで「大山詣り」

江戸庶民の信仰と行楽の地

大山は神奈川県西部の丹沢山地南東部に位置する、標高1252メートルの山。なだらかな稜線と尖った山頂で遠目にもわかりやすく、古くから山岳信仰の霊場として崇敬を集めてきました。
別名、雨降山と呼ばれ、雨乞いの神様としても崇められ、江戸時代中頃から大山詣りが盛んとなります。
山頂部に露出する大石が石尊大権現(石尊社)として祀られ、山頂には阿夫利神社が、中腹には大山寺が建ちます。特に水や石との縁起から、火消しや鳶、大工や石工などから篤く信仰されました。
当時、同じく崇敬を集めた富士山を詣でるには、江戸からだと箱根関所を通らなければならず、その必要もない大山は気軽に楽しめる参詣旅行として人気でした。江戸の人口が100万人の頃、年間20万人も訪れたそうです。
参拝者は仕事仲間や地域などで講を組織し、旅費を積立て順番で参りました。源頼朝が武運長久を祈願し、大山寺に太刀を奉納したという話にちなみ木太刀を奉納するのが習わしです。もう一つ、山中での滝垢離も習わしとなりました。滝で身を清めてから参拝するのですが、火消しなどは自慢の彫り物を披露する格好の場で、その様子は浮世絵にも描かれています。

大山寺
大山寺

天平勝宝7(755)年に聖武天皇の命により東大寺別当(長官)の良弁が開創したと伝わる大山寺。江戸時代の人々が納め太刀を奉納した大山詣りの中心的聖地。現在の大山阿夫利神社下社のある位置に建っていたが明治の神仏分離で廃寺となり、明治時代中頃に現在の地で再建された。

大山ケーブルカー
大山ケーブルカー

参詣者が登った山道は現在ケーブルカーが運行し手軽に登拝ができる。20分おきに標高差278m、距離約0.8kmを約6分で走行するケーブルカーの開業は昭和6(1931)年で、戦時中の休止を経て昭和40(1965)年に再開。平成27(2015)年の新型車両の導入では、架線の撤去、枕木の交換など大規模なものだった。車両の窓も大きくなり、より景色が楽しめるようになった。

大山こま
大山こま

江戸時代から大山土産として有名なのが、大山こま。大山の木地師によってつくられる縁起物で、金回りがよくなると伝えられる。製作技術は市の指定民俗文化財になっている。大山こまの形をした最中もあり、こちらも土産物に人気。

大山阿夫利神社
大山阿夫利神社

大山阿夫利神社は、崇神天皇の代に創建されたと伝わる雨乞い信仰の社。その名称も“雨降り”に由来するともいう。300年以上の伝統を誇る大山能、そして春日大社から伝わった倭舞・巫子舞は、いまなお継承されている。

太田道灌の首塚
太田道灌の首塚

文武両道に秀でた戦国武将として知られる太田道灌は、この地で生涯を閉じた。市内には2カ所の墓があり、一つは道灌の叔父であり、鎌倉・建長寺の長老である周厳禅師を中興開祖とする大慈寺の首塚。3基のうち、中央が道灌の墓とされる。もう一つは荼毘に付したという洞昌院。

大友皇子の墓
大友皇子の墓

日向薬師近くに建つ石雲寺には、壬申の乱で敗れ自害したはずの大友皇子が、実は生き延びていたという言い伝えがあり、その墓が残されている。最寄りの交通機関は日向薬師バス停。現在でも石雲寺の貴い場所として諸人の参詣が絶えない。

高部屋神社
高部屋神社

高部屋神社は、平安時代に大山一帯の糟屋庄を支配した糟屋氏ゆかりの神社。本殿は、「五間社流造」という形式で、正面の柱間が五つあるもの。同様のつくりは県内では鶴岡八幡宮の若宮本殿など、名だたる神社にしか見られない。国登録有形文化財。

日向薬師
日向薬師

日向薬師の本堂は国重要文化財の建造物で、本尊の薬師如来像を含め国重要文化財が多数。寺には源頼朝と妻の北条政子も参詣したと伝わリ、県の有形民俗文化財の大太鼓は頼朝が奉納したとされる。

宿坊
宿坊

刀を捨てた修験者たちが御師となって、参詣者の宿泊から登拝の道案内までの大山詣りのガイド的な役割を果たした。いまでも何軒もの宿坊が軒を並べる。
宿坊は、屋内に大山阿夫利神社の分社である神殿を備えている。宿泊者にとって無事を祈願するお祓いも貴重な体験である。宿泊情報は大山旅館組合のHPに詳しい。http://ooyama-ryokan.com/

豆腐料理
豆腐料理

江戸時代から伝わる大山の名産品の豆腐。参詣客が宿坊での宿泊費代わりに大豆を渡したことから、豆腐づくりが始まったという。丹沢山系の湧水を使ったその味わいは格別だ。

石雲寺
石雲寺

奈良時代に、霊峰大山の中腹に華厳法師が紫雲に導かれて開いたと伝わる古刹、石雲寺。干ばつによる不作や飢餓をよけるための雨乞い信仰に関連して祀られる霊石・雨降石は、かつて大山寺との間で争奪戦が繰り広げられたという。

観光農園
観光農園

伊勢原は古くから様々な果物が栽培される「フルーツの郷」。観光農園も20軒ほどあり、季節ごとにイチゴやブルーベリー、ブドウやみかんなどのもぎ取りができる。詳しくはJAいせはらのサイトで。

良弁滝
良弁滝

大山寺を開山した良弁僧正が最初に水行を行ったという高さ3mほどの滝。江戸中期以降に大山詣りが盛んになると、人々が滝で水垢離をとる様子が錦絵の題材になり、大山への憧れを誘った。北斎も「相州 大山ろうべんの瀧」でその様子を写している。

こま参道
こま参道

元々は大山参詣の本道だった「もみじ坂」が関東大震災で崩れてしまったため、右側に新しくつくられたという「こま参道」。参道沿いの飲食店や旅館軒下には、大山講歓迎の目印となる、幸せを呼ぶ色とりどりの布まねきがはためく。

比々多神社
比々多神社

平安時代に編纂された延喜式に記載されている比々多神社。縄文中期の環状配石が発掘され、周辺には多数の古墳も。日本はもとより世界でも最古級の土器が見つかった境内に建つ三之宮郷土博物館には、出土品や古文書、神器具など約2000点が展示。

元滝
元滝

日本遺産構成文化財。 大山詣りで心を清める滝垢離を行ったと言われる滝のひとつ。

愛宕滝
愛宕滝

日本遺産構成文化財。 大山詣りで心を清める滝垢離を行ったと言われる滝のひとつ。

大滝
大滝

日本遺産構成文化財。 大山詣りで心を清める滝垢離を行ったと言われる滝のひとつ。

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